さて、満月期でもあるしそらはどんより雲がでています。
こんな時は、機材のメンテナンス・・・なのですが、面倒くさがりの私は、そんなこともせず、ダラダラと過ごしています。

でも、先日の「すばらしき北天 in 花咲く星降る銀河高原 の段(画像追加) 」で掲載した画像が、どうしてもうまくできていない気がして、気になって仕方がありません。

そこで、今回は、少し違う方法でやり直してみましたので、うまく書けるかわかりませんが、今回の処理内容を書いてみたいと思います。
ちなみに、画像処理は、Photoshop CC 2015を使ってます。

まずは、今までですが、ざっくりこんな感じのプロセスでした。
なお、ダーク、フラット、コンポジットは変わりませんので省略します。

①画像の下処理を行う。(カラーバランス調整、カブリ、色ムラ調整など)
②星マスクと星雲マスクを作成する
③各マスクを使って、トーンカーブレイヤ、レベル補正レイヤを使って星雲の強調を少し行う。
④上記③のレイヤを状態に合わせてコピーして強調を繰り返す。
ここから先が、いつも不定になっていて、試行錯誤しているうちになにをやったのかがわからなくなります。

最後のほうで、ハイパス画像をオーバレイでかさねたり、背景のノイズを少し除去したりして微調整して終了するのですが、毎回結果が変わってしまうのです。
行き当たりばったりってことですね(笑)

さて、今回の画像処理をざっと書いてみたいと思います。
まずは、スタック直後の画像です。
ff4641d9.jpg


まずは、カラーバランスを整えました。
ヒストグラムで調べてみると、若干Rが強いので、G,Bをレベル補正レイヤの中間値で、1.02に設定


次の処理の前に、説明しておくことがあります。
画像処理を行う前に、この元画像から、星マスクと星雲マスクを作成しています。
このマスク画像の作成方法は、ネット上にありますのでそちらを参考にしていただくとして、ここから、これらのマスクが出てきます。

ただ、今回は、作成した星雲マスクの階調を少し切り詰めた画像を使用しているところがありますので、
最初に作成した星雲マスクはそのまま「星雲マスク」、階調を切り詰めたものは「星雲強調マスク」と説明します。

<星雲マスク画像>
551963fb.jpg


<星雲強調マスク画像>
6afaa541.jpg


また、星雲強調マスクは、Camera Rowフィルターを使って、背景のノイズを少し消してあります。
こうすることで、この星雲強調マスクをLもどき画像として輝度に使用したときに、背景ノイズも強調されることが防げるのではないかと考えてのことです。
当然、微光星が犠牲になっていますが、この画像の使用はマスク画像と、輝度用ですので、まあ、いいかなって感じで(笑)

本題にもどって、次は、星雲強調マスク(Lもどき画像)を使って輝度を置き換えます。
輝度置き換えについては、こちらのマルさんのブログで配布している、画像処理のテキストを見て勉強しています。ぜひ、ダウンロードしていただくことをお勧めします。(マルさんのご好意です)
L画像の合成については、59ページに記載されていますので、そちらを参考にしてください。

<L+RGB画像>
a66396b5.jpg


グッと、星雲が出てきましたね。

次の処理は、ハイパスフィルターを使ったコントラスト強調です。
まず、今の背景画像とその上にあるレイヤーを結合します。
(この際、すべてコピーをしてから行うと、やり直しできます。このあたりのことも、テキストでは普通におこなわれていますので見てください。)

次に、結合した画像のコピーを作成し、フィルター>その他>ハイパスでハイパス処理を行います。
このときのハイパスのパラメーター(半径)ですが、大きくしないと星雲強調ができませんので、私は目いっぱい大きくしてしまってます。(もしかしたら適正な値があるのかもしれませんが、正直よくわかりませんw)



そのハイパス画像をオーバレイ50%で重ねたのがこれです。
649ff989.jpg


う~ん。。。ブログのjpg画像だとあまり違いがわかりませんねぇ。。。
少しはコントラストが強くなっていますけど、実際のtif画像で処理していると全然違うのです。
まあ、この辺はぜひ、やってみていただくとわかると思います。

実は、今回は、ほとんどこれで完成なのですが、輝度置き換えで色が抜けてしまっているので、色相・彩度レイヤーで彩度を調整しました。
ただし、ここでは星マスクを使って、星の彩度が変わらないようにしています。

d20d3b0f.jpg


この後は、星雲強調マスクを使って、星雲だけ少し輝度を上げたり、カラーバランスを整えたりしてます。
レイヤーは、レベル補正レイヤーを使いました。
ここでも、これらのレイヤーをグループ化して、そのグループに星マスクをマスクとして使ってます。
こうすることで、恒星に影響が出ないようにしてます。(これもテキストに載っていました。ありがたや。)

最後に、ほんのちょっとだけトリミングをして、完成です。
今回の処理画像はこんな感じです。

c461e37e.jpg


高解像度版はこちら

とか言っても、まあ、こんなもんです。(^^;
とても胸張って出せるようなものではありませんが、前回の処理結果よりも個人的に納得できる感じになりました。前回にくらべて、星雲(特にNGC7538)の飽和が抑えられたと思います。

長々と書いてしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。
まあ、それよりも、画像処理のテキストをダウンロードされることをおすすめします。(笑)